本日は、さまざまな環境で起こっている、欠席や遅刻をLINEでしてきてしまう若者に効果的な伝え方をお届けします。
ヒントは、「伝える」と「伝わる」は違うということです。どんな方法なら〝若者に伝わる〟のでしょうか。
遅刻や欠勤をLINEで連絡してくる人に「1回で伝わる」効果的な方法とは、心を育むキャッチボールができればどんな言葉でも相手に伝わります。
たとえば、相手が「おさらい」を使っているなら「復習」と言い直さないほうが心にもっと伝わりやすくなります。そして、普段から大人たちから「おはよう」「お疲れさま」と声を掛けるだけで子供たちの純粋な心は良いエネルギーを放ちますし、何かあっても経験豊富な大人たちのほうが気づけますし、声を掛けやすくなります。
実は、この課題は、5年以上前から耳にしています(2018年現在)。社員研修やキャリアアドバイザー養成講座のお打合せを通じて、学校法人と企業の担当者や経営者の方々から共通した話題になりました。それは、「学生や新入社員が遅刻や欠勤をLINEで連絡してきてしまう」というものでした。
現場の私に意見をお尋ねくださることが多くあり、その場合に答えるのは、「この解決策は、立場による違和感を理解したうえで、解決方法を伝えると〝学生や新入社員に伝わる〟ので納得して次から会社の規則に沿った連絡手段を取ってくれるようになる」です。
だいじなのは、自分と相手の『考え方』や『視点』を『軸』に折り合いをつけて答えていることです。
こういったお話し(ご相談)の場合、とても慎重になりながらも気遣いがあり根底が人間が大好きというのが伝わってきて、意見できること感謝しながら「それでは、僭越ながら、今から、3分程度お時間をいただき私見を述べさせていただきます」と申しあげてから意見を述べます。
こんな言葉があります。
30分で読める文章は30分では書けない、
5分で聴ける曲は5分では作れない、
3分で食べられるモノは3分では作れない、
一瞬で見れる絵画は一瞬では描けないことを忘れてはいけない。もし5分で書けたら、
30年(これまでの積み重ねと経験)と5分だからと言う話もある。byゲッターズ飯田 さん
私たち大人が1回で理解できても、若者の経験値によっては1回では難しいこともあるということ。
経験値のある私たち大人が試されているのです。
その1回を自分の理解度で相手に話せば1回で理解するのか。
経験値のある大人同士の課題であっても、若者がLINEで連絡をしてくる『背景』を一緒に考えながら解決策をディスカッションします。相手は経験値の少ない若者だからこそ、経験値のある大人の私たちのたった1回の心の込め方で若者たちの話しを聴きズレを埋めていくことを目指します。
若者たちは出会った大人や経験で心が動きその後の自分の人生を決めていく柔軟性があります。
あなたは、若者ひとりひとりをどれだけ理解してあげていますか。
学生の就活時代では、夢を叶える内定を勝ち取る際に、いかなる就活や会社の情報もLINEそしてアプリなどで受け取って、状況報告も同じ手段でしなくてはらないことがほとんどです。もちろん、不採用の連絡もLINE、アプリで受け取ることも少なくありません。
学生にとって就職活動は人生において大きなイベントです。それを私たち大人はLINEやアプリを通して連絡しているのです。それまでの小中高大の受験勉強も、日々のイベントの積み重ねて、就活採用試験があります。すべてにおいて、現代では、学校で設定したメールアドレスを使用したり、アプリを使用しています。
すべての環境は、「学生ひとり vs 多数の大人」です。
ですから、就活情報と学校からの連絡で混在してしまうのも少なくありません。
そんな中、私たち社会人の先輩からの就活情報や会社情報そして採用通知はどのように届くのでしょうか。彼らは混在しながらも、もう必死です。学生によっては慌ててしまい、どのツールで見た情報で行動しているかもわからないほどです。それほど、プレッシャーの中で行動しています。
ほんの数年前までは、アプリは存在しておらず、連絡手段は「メール」でした。そのため、一般常識と言われる「入社後の取引先とのやりとり」も学生時代の就活で学ぶことができました。
しかし、現在の学生は、LINEやアプリなので、私たち大人が学んでいる(体験している)この「古き良き一般常識」を学ぶ機会がありません。
さらに遡ると、20年前の現在の採用面接官や人事担当者たちが就職活動していた頃は、就活や会社情報そして内定連絡は、電話と書面そして学校からの連絡などで届いていた時代もありました。やはり「一般常識」を学ぶ機会がありました。
このように数年間で「連絡手段」がどんどん変化しています。しかし、会社員になると突然「古い常識を求められる」のです。LINEやアプリを使用して「メール、契約書、電話でのやりとりなど、報連相」は少ないです。
就職活動で使用していた「連絡手段」を軸に、LINE、アプリ、メールのみで『既読が付いたから伝えた』『送ったから伝えた』と言う新人の気持ちも、先輩の気持ちもわかります。でも、教える側の大人たちが、LINE、アプリ、メールで送って、確認のために「電話をする」という〝一般常識〟を就職支援の時期から学生に教えてないのです。この課題は、学校側の大人たちの「教え方」も原因です。
若者は「教えられて学ぶ」という世界にいたので、教えてもらえるとわかります。しかし、就職して新入社員研修など「教えられるタイミングがない」とわからないまま。しかし、先輩や上司から「わかっていてあたりまえ」になってしまうだけなのです。
私たち社会人の間でも、LINE、アプリ、メールのみで連絡し、認識のズレが起こるのはあり得ることです。それは、どれだけ「仕事への在り方が見える瞬間」ですね。
学生の就職相談で、内定辞退をアドバイスする場合は、「電話をし、来訪を申し出て、お詫び状を出す」と答えています。このアドバイスに、LINE、アプリ、メールは入れておりません。
このアドバイスの理由は、
1,学生の長い人生を考えると、学生が後ろめたさを引きずりながら働くこと、もし『転職』があったときに選択肢を広げておくため
2,社会に出て行く前に、社会での行動や意識に重きを置いてもらい、知ってもらうこと、学んでもらうこと、実体験してもらうため
しかし、はじめて学ぶことですから、回数を重ねないと定着しません。しかし複数回起こる出来事ではありません。
私たち大人は、このような「最重要や重要の認識」を持っていますが、学生たちは、人生で重要な就活での就活連絡や不採用通知がLINE、アプリ、メールで私たち大人から受け取っているということです。私たち大人と新入社員の認識の基本がそもそも違うことを知ってあげてください。
この立場の違いを理解し、若者の未来の可能性に期待しながら、彼らの視点でのアドバイスが効果的です。意欲的な学生や新入社員は、この視点で説明をするとしっかりと理解を示し順応できる場合がとても多いです。彼らの自主性も含め、伸びていくので、効果が早く見込めやすい方法です。
- 対面で話せる環境を整える
- 体調不良を労う
- 調子が悪そうな原因を話せる魔法のひとこと「最近、元気がないように思ってたけど、何かあった?」を使う
- 感情と原因が明確になったら
- これまでのLINEやアプリの重要性を労い、理解を示し
- 今後、こうすると良い理由・根拠、メリットを話しながら
- 最後に、やれそうかどうか確認をする
- 1週間後、対面もしくはメールで労う
もちろん、理解を示すことができない場合もあります。
その場合は、視点を広げて説明しています。
どのように社会・働く職場でやっていきたいか。
相手に伝わる話し方は『いかに効果』を伝えるか、です。
メリットとデメリットそしてリスクを踏まえながらの解決法です。たった1回、約1分で十分です。若者の理解度は「のちの行動」でみえてきます。まずは、日を改めてリアルで顔を見た時に「あれから元気だった?」と声をかけること。
そして、若者を「育てる」「期待する」という視点で、彼らのわかりやすい言葉ではっきり、ゆっくりとお話ししていただくとさらに理解力が増します。結果、先輩や上司に対して尊敬されるようになったようで話し方の相談をされることが増えましたとお声もいただいたこともあります。
本日の記事は、就職活動中の学生や新入社員の方々が読んでも「相手に伝わる方法」のひとつになると思います。私の経験ですが、学生や新入社員の『連絡をする』という行動に気づき、褒めることができることで若いチカラは育ちます。私たち大人の使命のひとつだと思います。
ぜひ、たった1回で理解できる若いチカラを信じてあげてください。たった1回を雑に伝えるのではなく、丁寧にわかりやすくゆっくり伝えてあげてください。
感情にまかせ高圧的な態度をし、若者を委縮させる時代ではありません。大人のやり方に合わせるのではなく若者に目線を合わせてあげられるか、です。
約束すっぽかして、謝ることもしない大人もいます。相手のことを考えながら話せるのは学生や新入社員ではなく「私たち大人の使命」です。若者たちにどんな人生を送ってほしいかがアドバイスや指導になって表れる瞬間でもあります。
スピード感ある成長を求めたいところですが、いきなり自転車を乗りこなせません。しかし、コツをつかめば乗りこなせるようになります。ぜひ、チャンスと時間を与えてあげてください。
大人の私たちが若者たちを育てましょう。
今回の内容があなたとLINEで連絡をしてきた若者の未来の光になるきっかけになりますように。
最後に
この「あれから元気してた?」「あれからどうしてた?」というふんわり声を掛け、様子をみながら「欠勤するほどの〝何〟があったの?」からスタートします。若者の感受性を共有した後に、若者に未来を創造させながら、こちらの〝お願い〟を伝えています。
たとえば、家族に大きな病気を抱えていることを優先したいと言うと辞めさせられると思ったりして一人で抱えていることもありました。冷静になれない状態を安心させることで若者の成長は伸びますね。若者のLINEで連絡してくるクセをなおすには「心」です。
若者、学生、新入社員にとって『話す』『書く』とは、ESや履歴書だけでなく、入社後には、営業メール・トーク、プレゼン資料・トーク、プロジェクトでの打合せ、上司や先輩とのコミュニケーションなどの重要なポイントで発揮します。人生のことを見据えて「人に選ばれたい文章術」を学びたい方はこちらでお届けしています。
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